8月11日(日)福岡県朝倉市で古民家調査三点セットの一環で
伝統耐震診断を実施した。
古民家鑑定と床下インスペクションはすでに終わっている。
築120年になるというから、明治30年代の古民家となる。
入母屋造りの二階建だが、北側部分の増築や、土間で
あったと推測される部分の床上への改修など、幾度かの
改修履歴を重ねてきた古民家のようだ。
外壁もサイディング材でカバーされていた。
東北方向からの外観
西北方向からの外観
手前左に増築された部分が見える、鉄筋コンクリート造か
コンクリートブロック造かは判別できなかったが、陸屋根づくりだが
現在はその上に金属の勾配屋根を葺いている。
いつものように、地盤の振動と建物の振動を計測するために
測定器をセットする。
玄関先に
2階柱際敷居の上に
計測を開始する。
実際測定してみると、最終的な報告書は本部での分析を
待つことになるが、結果としては家の履歴から推測されるように
振動周期の長い伝統構法の振動特性ではなく、
振動周期のより短い在来工法の振動特性が確認できた。
おそらく北側の増築部分が耐震性に大きく寄与しているのでは
ないかということが推測される結果となった。
内部は2階の床を顕わしにした天井と
床の間、床脇を持つお座敷、棹縁天井の伝統的な
書院造りの古民家であった。
北側の陸屋根部分を減築する意向があると聞くが、
どのような改修を行うのかは調査結果を待って判断される
ことになるだろう。