福岡県筑紫郡那珂川町で古民家調査三点セットを行い、伝統耐震診断を実施した。
那珂川町は福岡市の南に隣接した町で、福岡市の中心部を流れる那珂川の上流域に位置する。
廻りにはまだまだ水田が拡がり、行く先の古民家の集落内道路わきには農業用水の水路が
通っており、とてもきれいな水が勢いよく流れていた。
調査先のI邸は平屋建てで築110年というから、明治末期の古民家になる。
外観では軒先の瓦が一部落ちたりしていたが、なかにお邪魔すると
差し鴨居、大引き天井の造りで小屋裏が物置になっていて小屋組みも
堂々としている。
一部増築があったり、浴室廻りのリフォームなど改善を重ねてきた様子がうかがえるが、
原型は田の字型の間取りだったことがわかる。
表の間は吊り天井、裏の間は大引き天井と建築の造りも明確に区分されている。
いつものように、建物と地上それぞれに地震計をセットして計測を実施した。
周期の大きい伝統的民家の特徴が明らかになったが、耐震性からいえばやや数値が高く、
補強が必要な結果になるかもしれない。