今回、熊本古民家再生協会支部長の村田さんの計らいで
動的耐震診断を5件実施した。
1日2件が精一杯なので2泊3日の熊本行きとなった。
調査では村田事務所の所員の原田さんと佐賀の動的耐震診断士の
岩宗さんに同行してもらい諸事全般協力していただいた。
最初の日は村田さんにも同行いただいた。
N邸は菊陽町にあった。
木造真壁の伝統構法である。
差し鴨居の梁床天井で部材も大きい。
計測値も期待されたが、床下にシロアリ被害の跡が
発見された。
二日目午前中のM邸熊本市南区城南町
地震の被害も出ていて、玄関の建具は開かない。
北側には在来工法の増築がある。
床下の軸組もごっついが湿気が来ているようだ。
午後のN邸は同じく南区の護藤町
階に物置に使える屋根裏があってこれまでの3件共
同じような断面形式である。
梁床天井で差し鴨居ではないががっちりした骨組みである。
計測値もよかったが、床下に湿気があるのが気がかりだった。
三日目は八代市に移動して午前中本町の
お寺さんK寺である。本堂と庫裡が連続しているが、
構造は地上部では分離しているので2棟に分けて
計測することになった。
本堂の梁の上に地震計をセットした。
地上は土間上に
本堂と庫裡の境界でどうも雨漏り発生しているようで
床下に湿気も見られる。
内部の柱の傾きも4Mで10cmほどあり、早急な
修理工事が必要と思われる。
ご住職のお話しではここは台風による強風の影響が大きいようで
また海岸部なので地盤もあまりよくないようだ。
庫裡の方も計器をセットし直して計測した。
床下の湿気もかなり顕著
最後が午後、甲佐町のH邸に移動した。
山あいの集落の一画に位置している。
棟瓦が落下している。
計測がなかなかうまくいかず、屋内の地震計の設置場所、
設置方法に試行錯誤したが、最終的には計測できて
一安心した。
今回はほんとに熊本支部長以下同行協力いただいた方々のおかげで
無事終了できて大変感謝に堪えない。
現場実測データを本部に送り、今後さらに分析、補強提案を受けることになる。