伝統再築士スキルアップ講習、動的耐震性能診断士更新講習に参加

6月19日(金)大阪で一般社団法人「住まい教育推進協会」主催で上記の講習会が開催された。

最初に「全国古民家再生協会」事務局長の井上氏から国交省の進める住宅リフォーム団体としての古民家部門での登録の見通しが語られた。

伝統構法でのリホームに対して瑕疵担保保険の適用ができるようになることと、その条件として古民家鑑定と床下インスペクション調査、動的耐震診断の三位一体セットでの事業の展開が重要との説明だったと思う。

また動的耐震診断の費用改定の考え方の説明もなされた。

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続いて古民家の省エネ基準作りを行ってきた藤木委員長から古民家を再築する場合の省エネの考え方の説明がなされた。

真壁構造での断熱仕様の事例の紹介や国の新省エネ基準によるQ値、C 値、UA値などもクリアできることが示された。

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なかでも断熱基準が熱移動の3原則である伝導、対流、輻射のなかで伝導に偏った対策になっているのではということで輻射に注目した遮熱の考え方の重要性に触れられ、遮熱による省エネを推進するメーカー担当者の説明を交えたお話は今後の省エネの有り方を展望するものであった。

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太陽エネルギーに代表される熱移動の75%は輻射熱であることの実態から考えれば遮熱対策が重要であることは理解できる、おそらく輻射熱の遮熱対策と内外温度差による伝導断熱対策、空気の対流防止対策のセットが重要になるのではないかと感じた。

午後からは古民家動的耐震性能診断士の更新講習だった。

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杉本氏は動的耐震診断測定器が非常にデリケートな精密測定器であるため持ち運びに大変気を使っていることを伝え、診断士の注意を促した。

基本的には今後、動的耐震診断が限界耐力計算の結果と整合することを実証しながら安心できる信頼の保証をしていくことの重要性を述べられた。

地盤と建物の振動数と固有周期T₀、共振性能係数Q値、最大振幅応答倍率R値、

動的耐震性能評価指数C値の成り立ちへの理解を求めた。

最後に測定のデモンストレーションがあった。

地震計、アンプ、専用パソコン機器の配線の接続の仕方から始まって、ソフトの条件設定、解析開始、データの保存に至る一連の流れを体験しながらの講習となった。

 

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