那珂川町で伝統耐震診断180913

福岡県筑紫郡那珂川町で古民家調査三点セットを行い、伝統耐震診断を実施した。

那珂川町は福岡市の南に隣接した町で、福岡市の中心部を流れる那珂川の上流域に位置する。

廻りにはまだまだ水田が拡がり、行く先の古民家の集落内道路わきには農業用水の水路が

通っており、とてもきれいな水が勢いよく流れていた。

調査先のI邸は平屋建てで築110年というから、明治末期の古民家になる。

外観では軒先の瓦が一部落ちたりしていたが、なかにお邪魔すると

差し鴨居、大引き天井の造りで小屋裏が物置になっていて小屋組みも

堂々としている。

一部増築があったり、浴室廻りのリフォームなど改善を重ねてきた様子がうかがえるが、

原型は田の字型の間取りだったことがわかる。

表の間は吊り天井、裏の間は大引き天井と建築の造りも明確に区分されている。

 

いつものように、建物と地上それぞれに地震計をセットして計測を実施した。

周期の大きい伝統的民家の特徴が明らかになったが、耐震性からいえばやや数値が高く、

補強が必要な結果になるかもしれない。